0480  第480話  酒蔵の町・新川ものがたり 「自選句集1」
  俳人・應々居詩葉

     
     應々居詩葉(木藤七) の句
      まちしほとはるにかまけて花ノ音 名月や庭三尺の踏心
     と佐藤旭峰の画

 なお、藤七は、多数の作句のうちから約265句を選択し、「自選句集」
と名づけたものを残している。ここでは、他の章で引用した句を除き、その
一部を揚げておく。

  業(なりわ)ひや知らずしらずの去(こぞ)ことし
  さそはれぬ只日のしたの花の人
  飛影に舞う影からむ胡蝶かな

  まちしほとはるにかまけて花ノ音
  名月や庭三尺の踏心

 三十七年四月廿一日白雲舎西水氏ヲ悼ム
  あたら咲花に主なし雨寒し

 三十八年五月一日至来舎為村先生病死霊前
  春待ちし雨も名残ををしミ降

 善光寺にて
  太鼓鳴り鐘鳴り霜の別れかな

  山川のここ路(ろ)を誘ふ柳かな
  元日やそれにつけても親こひし

 三十八年十月十四日田喜庵詩竹翁七回忌にて
  露の香やありし昔の家ながら

 四十三年十月信州姥捨山にて幹雄老人の死を承る
  姥捨や月にこころのかり供養

(酒蔵の町・新川ものがたり 大関と木藤七、木藤夫、木文雄、
 沢和哉共編 清文社刊より)