0447  第447話  酒蔵の町・新川ものがたり 「母のお手当金」
  関口家に寄寓

 しかし、木家に残る支払通知書および領収書によると、「文久元年酉年
正月ヨリ壱ヶ月金三歩宛(あて)」とし、実際には半期分、四両ニ分(一両
は四分)が7月と12月に、ただし文久2年下期分はニ両ニ分、慶応元年上
期分は五両一分、また文久3年分のみは、3月18日に1か年分として九両
と、予定の倍近い金額、四十三両三分が、なみの死去した慶応元年まで5年
間に支払われたことが確認される。

 江戸時代から明治にかけて、商家の大店(おおだな)は徒弟制度で、旦那
様とその使用人の関係は、大名と家臣の関係にも似ていた。
 旦那様のご命令は絶対であり、使用人は結婚、離婚、葬儀などの慶弔から
剃髪にいたるまで主家に届け出て許可を得なければならなかった。この反面、
功労者の遺族などに対しては、旦那様の思し召しによって扶助料などが支給
されていたのである。

(酒蔵の町・新川ものがたり 大関と木藤七、木藤夫、木文雄、
 沢和哉共編 清文社刊より)