0438  第438話  酒蔵の町・新川ものがたり 「樺井銀行」
  本両替商仲間に加入

 たとえば大正2年8月刊「日本橋繁盛記」(日本橋協会編)には、中井
銀行が次のように紹介されている。

 金吹町にあり、明治16年6月の創立なり。 本行は始め、徳川時代に
両替屋と称し、諸大名の為替方(かわせかた)を取扱ひしものなりしを、
合名会社組織となし、以(もっ)て本行を設立す。明治30年以来、次第
に資本金を増加し、目下の社員は3名にして出資額300万円、代表社員
は中井新右衛門にして、都下有数の確実なる銀行なり。

 このように中井銀行は正徳4年の両替店開業以来、二百十余年にわたっ
て江戸を中心に金融業界に確固たる地位を築いたのだったが、昭和2年3
月金融界を襲った大恐慌により、他の中小銀行とともに休業。同年10月
設立された昭和銀行に吸収整理されるにいたった。

(酒蔵の町・新川ものがたり 大関と木藤七、木藤夫、木文雄、
 沢和哉共編 清文社刊より)