0434  第434話  酒蔵の町・新川ものがたり 「掛屋御用」
  脇両替店の開業


江戸時代の両替屋図
(「日本橋駿河町由来記」駿河不動産刊より)

 正徳4年(1714)8月、中井家・清助(初代新右門)が当初開業した
のは、この銭を扱う脇両替屋で、神田、三田、世利組からなる脇両替3組の
うち、世利組に属した。
 そして開業間もない享保年間(1716〜36)には、早くも地方大名の出入
り商人として「掛屋御用(かけやごよう)」をつとるることになる。これは
享保16年8月27日提出された、次の讃州高松・松平讃岐守(頼豊)に対する
「御掛屋御用引請願」の文面にも「先年私方暫も相勤」とあり、すでにこの
願書提出以前から「掛屋御用」をつとめたことがうかがわれるのである。

 御掛屋両替、只今迄松屋加兵衛方ニ而被相勤候処(てあいつとめられそう
ろうところ)、此度御免之御願被申上候ニ付、依之跡御掛屋外々江も被為仰
付(おおせつけられ)筋ニも御座候ハゝ、先年私方暫も相勤、其上是迄松屋
方下両替仕来、御用向有増存罷有候間、私方江被為仰付候様願上候
                  (播磨屋中井両替店記録・永代帳)

 この願書は十月十四日、「願之(の)通被仰付候(おおせつけられそうろ
う)と許可された。

(酒蔵の町・新川ものがたり 大関と木藤七、木藤夫、木文雄、
 沢和哉共編 清文社刊より)