0431  第431話  酒蔵の町・新川ものがたり 「播磨屋新右門」
  脇両替店の開業

 中井銀行の前身、中井両替店の創業者・初代新右門は、前名を清助(童名
喜三郎)といい、父、次郎右衛門のとき近江国水口天神町から出府し、当時
は下谷黒門町に居住していた。
 清助は元禄年間(1688〜1704)江戸本革屋町の本両替商・三谷忠左衛門
の店で奉公したのち、正徳4年(1714)8月27日、31歳のとき独立して、
本両替町、駿河町、本革屋町など江戸時代の金融センターに近い金吹町で、
両替屋を開業、「播磨屋新右門」と名乗った。以後、中井家歴代当主は襲名
して「新右門」を通り名としたが、新右衛門、また略称して「播新」とも呼
ばれた。

 江戸時代、銭屋、あるいは掛屋と呼ばれた両替商が、わが国でもっとも繁
昌したのは商業都市の大阪で、大阪・天王寺屋五兵衛が最初にはじめた両替
屋は、寛文期(1661〜73)のはじめには10人の有力者が選抜され、
「十人両替」と称し、さらに元禄4年(1691)には、幕府御用金の為替
取扱いを命ぜられ、「御為替十人組」と呼ばれた。

(酒蔵の町・新川ものがたり 大関と木藤七、木藤夫、木文雄、
 沢和哉共編 清文社刊より)