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0425 第425話 酒蔵の町・新川ものがたり 「一 番 船」
江戸時代の新酒番船
出帆場所は、大阪船問屋の場合は安治川口、西宮船問屋の場合は西宮から、
同時に出帆したが、西宮の方が有利であったため文化元年(1804)以降、
出帆条件の公平を期して大阪方も西宮から同時出帆に変更された。今津港から
出帆したことも一度だけあったという。
江戸への輸送日数は、通常の3週間から1か月に対して遠州灘を1日で乗り
きり、わずか3〜4日間で品川沖に到着。この船は、江戸入港順位にしたがっ
て「一番船」「二番船」と番号のつけられたところから「番船」と呼ばれるよ
うになった。船頭には順位を木札、いわゆる縦横各15センチ、厚さ2センチ、
表面に順位と年月日、裏面に行司役の問屋名、側面には船主名記入の「番札」
が手渡された。
出帆のときには囃子、太鼓で見送られ、一番船は、江戸酒問屋の盛大な出迎
えのうちに、船頭は赤襦袢で踊りながら賞品および金一封にあずかった。三番
船までに入賞することは大変な名誉とされ、この先陣争いに船頭は生命をかけ
る習慣さえあったという。
いずれにしても、船上では利き酒会が行われ、入賞3位以内の酒荷に対して
は建(たて)値段(標準価格)を決定。これがその年の酒価の基準となった。
一方、番船の着順はいちはやく早飛脚によって大阪、西宮の荷主に報告された。
(酒蔵の町・新川ものがたり 大関と木藤七、木藤夫、木文雄、
沢和哉共編 清文社刊より)
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